昨年11月、アーティーではロンドン研修のため1週間ほど工房を留守にいたしました。
研修の目的は、ロンドンで行われた大規模展覧会、
「吉田家 日本の版画家三世代(Yoshida: Three Generations of Japanese Printmaking)」への協力です。
かねてよりお付き合いのあった版画家 吉田亜世美さんからのご依頼により、
アーティーでは作品制作協力・そしてロンドン ダリッジ美術館での搬出作業に関わらせていただきました。
最初にお話をいただいたのが2024年1月。
6月の会期スタートから逆算し、吉田亜世美さんと打ち合わせること数度。
作品のスキャン〜データ作成等で協力させていただきました。

(7月頃の美術館の様子:藤の花が満開)
今回の企画は、版画家 吉田博(吉田亜世美さんの祖父)が1900年に同美術館を訪れ、
訪問者名簿に残した署名が発端となっています。
2023年、美術館職員がその訪問者名簿に当時としては珍しい日本人の名前を発見、それが版画家 吉田博さんでした。
調べていくうちに吉田博を起点に現在まで続く、三世代にわたる版画家ファミリーであることがわかります。
それは100年強にわたる日本版画の変遷を紹介する、今回の展示へつながったのでした。
吉田家の三世代目にあたる吉田亜世美さんは、今回の展示のエンディングを桜のインスタレーションで締めくくります。

展示は大盛況となり、会期も当初の予定より延長。
日本版画への新しい視点を求めるヨーロッパの人たちで連日賑わうことになりました。
会期の終わりにロンドンに向かった私たちは、
開館時間の1時間前に特別に展示を見させていただきました。
吉田家の版画の足跡を辿ると、最後に現れるのは、光に包まれた亜世美さんの桜のインスタレーション。
一気にロンドンから遠く離れた日本へ誘い、
咲いてあっという間に散ってしまう桜の美しさと儚さに心を奪われます。

今回はこのような企画に関わることができ、改めて亜世美さんに感謝すると同時に、
日本の版画芸術が多くのヨーロッパの人の心を捉えたことに
一版画工房として、これほど誇らしい瞬間はありません。
⚫︎展覧会概要
Yoshida: Three Generations of Japanese Printmaking
会期:2024年6月19日から11月3日。
場所:「ダリッジ・ピクチャー・ギャラリー(Dulwich Picture Gallery)」
(自然光を取り入れた革新的なデザインで知られ、コレクションには、レンブラント、ゲインズバラ、ルーベンス、カナレットなどの600点以上。)
参考website:Dulwich Picture Gallery ウェブサイト
参考website:展示概要
参考site:インタビュー:In the studio with Yoshida Ayomi
吉田亜世美 official website