【版画協力】林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼-

今回は九段下にあります、ギャラリー册(さつ)さんへ「林忠彦写真展」を見に行ってまいりました。
アーティーでは今回、この展示に合わせて制作された「林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼-」の版画制作にご協力させていただいております。

今回の展示では、昭和を代表する写真家 林忠彦さんが撮影した昭和の文豪の姿や、戦後の東京を写した写真が飾られています。
銀座のバー・ルパンで撮影された太宰治の写真は、皆様も一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
撮影裏話も展示されており、作家を身近に感じられる構成となっております。
有名作家の他にも、焼野原の中でぽつりと営業するスナックや、復員兵が笑顔で写る作品がありました。


これらの撮影が行われたのは1946年前後。敗戦を迎えた翌年だということに、とても驚かされます。
大勢の人が亡くなり、見渡せば町は消失…生きる事に必死だった時代にカストリ雑誌(大衆娯楽雑誌のことで、3号程度で廃刊になっていたことから、3号も飲めば潰れるといわれたカストリ酒に掛けた言葉といわれる)が刊行されたこと、写真を撮り続けた人がいたこと、文学に勤しむ人がいたこと、人々がその娯楽を求めていたこと、そのことに日本の不撓不屈の精神をまざまざと見せつけられる思いでした。

これを活気というにはあまりにも悲しいですし、未来に大きな希望を抱いているというのは無責任にも聞こえてしまいます。
そこで思い出されるのが、この展示のサブタイトル「喪失をだきしめて」。
この一文が、展示の大きな意味を知らしめているように思います。
喪失を抱き、背負いながらも、明日を生きようとする人々の凛とした美しさ、カストリ時代を生きた作家たちの頼もしい表情。
その写真の中に日本文化の華めきを感じずにはいられません。
日本人の逞しさを感じに、ぜひギャラリーへ足を運んでいただきたいです。

さて、この展示内で「林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼-」の見本も展示されております。
内容もさることながら、外装箱にもこだわりが見えます。
トタンで作られた外装箱は、時代を巻き戻したような風情があります。
印刷から装丁、箱まで、こだわりが凝縮された豪華な仕上がりとなっておりました!

下記に「林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼-」とギャラリー册(さつ)の詳細を載せていますので、どうぞご覧くださいませ。


<林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼- 情報>

林忠彦生誕100周年作品BOX-無頼-

林忠彦が撮影した昭和の文豪写真――その多くは「小説新潮」など新潮社の雑誌で発表された。
その中から詩人・高橋睦郎氏が「無頼」をキーワードに選んだ8名の文士の写真を美術版画の名匠版画工房のアーティーが《アーカイバル®》の技術で再現。
高橋睦郎氏による解説や林忠彦が遺した撮影裏話などを収録した別冊子を付した、永久保存版作品集。

監督:林義勝 企画:木本禎一

(新潮社ホームページより引用 )

・120セット/シリアルナンバー入り
・本体価格 1セット 120,000円(税込129,600円)/送料無料
・写真8葉(A4サイズ)解説28頁/特製のトタン製BOX入り
※こちらの商品は受注発注品で、申込先着順、限定数に達し次第、販売終了となるそうです。

詳しくは新潮社様ホームページでご確認ください。
【新潮社HP】
http://www.shinchosha.co.jp/news/article/1368/
【新潮オンラインショップ】
http://www.shincho-shop.jp/shincho/goods/index.html?ggcd=snc01875

<林忠彦写真展 情報>

【展示会スケジュール】
2018年8月10日(金)ー9月29日(土) 11:00-19:00 日.月.祝休

【展示会場】
ーギャラリー册(さつ)ー
・東京都千代田区九段南2-1-17 パークマンション千鳥ヶ淵 1階)
・お問い合わせ:03-3221-4220(ギャラリー册)
・ホームページ:http://www.satsu.jp/
・観覧料:無料