CONCEPT

クリエイターとともに、そして、想像力の一歩先へ。

BRAND CONCEPT

ブランドコンセプト

アーティーでは「Free Our Creativity,現代に甦る絵師と摺師」という思想の下、
作家と工房が相互に意見交換し、想像力の一歩先の表現「CREATION FROM ORIGINAL」をめざします。

時に「版画」の概念を逸脱することがありますが、日々変貌を遂げるアートシーンにおいて、
版画工房の私たちも新しい発想や技術を取り入れることを躊躇しません。

CREATION FROM ORIGINAL

原画をもとに創造する

アーティーのコンセプトから生まれた制作例を手順ごとにご紹介します。
原画を元にしながらも、複製ではなく、新しい創造を楽しむプロセスです。

てぃんくる
「ETOILE RECETTE M/E」

  • 【制作前打ち合わせ】
    作家のご意向を事前にヒアリング。その結果、ステンレス板を基材に決め、さらに2層にして立体感を出すことにしました。

  • 【下加工】
    グラインダーで金属板に下加工を施します。この加工はインクや樹脂の定着を強くするだけでなく、メタリックな質感の演出効果もあります。

  • 【樹脂の混合】
    1層目の印刷終了後、エポキシ樹脂を準備します。2液性樹脂なので、適正な混合比・混合時間を守りしっかり撹拌します。

  • 【1層目コーティング】
    金属板の水平度や画面のホコリ、室温や湿度など直前まで入念なチェックを重ね、1層目のエポキシをコーティングします。

  • 【2層目の出力】
    1層目エポキシ層の検品後、2層目の出力をします。ここでは透明感と空間性を強調するため、キャラクターと近景のみを刷ります。

  • 【層の厚みを均一化】
    2層目のエポキシをコーティングします。とくに2層目では、均等な量と厚みに仕上げるため、慎重に迅速に液量を調整します。

  • 【気泡の除去】
    エポキシが硬化する過程で、層の中に気泡が発生してしまいます。そのため、ガスバーナーで熱して、気泡の除去を行います。

  • 【異物の除去】
    エポキシ層に混入した、小さなゴミやホコリなどの異物を除去します。厳しくチェックし、硬化前にすべてピンセットで取り除きます。

  • 【重層感】
    金属板にインク層、樹脂層、インク2層目、ラメ、そして樹脂2層目の順に層が重なることにより、独特の奥行きと透明感が感じられます。

  • 【完成】
    入念な検品を終えて完成。オリジナルデータの持つキュートさに、奥行き等が加わることにより、みごとにストーリー性が演出されました。

天野喜孝「DRAGON DX」

  • 【制作前打ち合わせ】
    元となる原稿を見ながら、お客様へのヒアリング。紙やキャンバスなどでは得られない世界感を追求することにしました。

  • 【テクスチャーの制作】
    この作品はエッチングの技法を用い、オリジナルの幻想的世界をより強調させます。まず、アルミ板に防食剤で模様を描きます。

  • 【腐食】
    アルミ板を腐食します。有毒気体対策の防毒マスクを装着し、腐食液から数回引き上げて、腐食の具合を確認しながら進行します。

  • 【腐食表面のチェック】
    未腐食の部分がないように、全体をチェックします。

  • 【水洗い・拭きとり】
    腐食が進んだところで、アルミ板を水洗いします。その後、ムラをなじませるためにシンナーで表面の腐食液を拭きとります。

  • 【テクスチャーの重層】
    通常、2~5の工程を2、3回繰り返します。この作業によって理想的な背景テクスチャーに近づけていきます。

  • 【表面をならす】
    理想的な背景が得られたら、次にサンダーを使用して、腐食によって生じた表面の凸凹を平らにならしていきます。

  • 【仕上げ拭き】
    仕上げに、シンナーを使って、表面に付着した金属片やホコリなどをきれいに拭きとります。

  • 【出力の準備】
    表面を隅々まで検品します。その後、出力用コーティング材を塗布して出力します。

  • 【完成】
    出力と検品を終えて完成です。アーカイバル®によりオリジナルとは異なる世界観が創造され、幻想的で重厚感のある表現になりました。